首の痛みは大きく、慢性、急性外傷、病的に分けられます。
首痛の原因
スマホやPC作業に注意!
長時間の細かい手作業やスマホ操作、ゲーム、デスクワークは、特に注意が必要です!
これらの作業をするときはほとんどの人が、肩を少し前にすぼめ、頭を前に突き出したり下を向く姿勢をとりがちです。
人の頭の重さは、体重に対して約10%ほどの重さと言われています。
その重たい頭を支えているのが、背骨や首肩周りの筋肉なのですが、背中が丸まって頭が前に出ていると、背骨で支えられない頭を首肩周りの筋肉が頑張って支えることになるため筋肉が疲労してしまいます。
また、これらの作業で目をたくさん使うと、眼球を動かす筋肉である後頭下筋群(後頭部~第1、第2頸椎にある筋肉)が疲労し固くなります。眼精疲労も首こりの大きな原因になるのです。
ストレスによる首痛
ストレスからくる首肩こり、腰痛には大きく分けて2つあります。
①自律神経ルート
ストレスが強まると交感神経が過剰に働き、血管を収縮させ血圧を上昇させます。そのため、血行障害を起こし筋肉が固くなります。
②脳脊髄神経ルート
脳がキャッチしたストレス情報が神経繊維(運動神経)を伝わり、脳に近い頭、首肩を始め体の筋肉を緊張させ血行障害を起こします。
この双方が血行を悪化させ、筋肉を緊張・固くするため首肩こりや腰痛を引き起こします。
また、内臓は自律神経により支配されているため、ストレスで自律神経が乱れると内臓機能にも影響を及ぼし、病気の原因にもなります。
急性・外傷的原因
徐々に気になりだして痛みに変わる慢性的な原因の他に、明確に痛めたキッカケがある状態が当てはまります。
衝突や転倒、後ろや横からの衝撃では、頸椎捻挫(むち打ち)や頸椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脳脊髄液減少症などになりやすく、尻もちをついたときの下からの衝撃では、椎骨の圧迫骨折などが起こります。
いずれにせよ、このように明確な原因があって強い痛みやしびれ、めまい、耳鳴り、頭痛、吐き気など症状がはっきりと出ている際は、一度病院で診察や検査を受けてみて下さい。
首痛には病気が隠れていることも・・・
くも膜下出血
強い頭痛が起こるといったイメージですが、出血が少量であれば、軽い頭痛や首の違和感だけの場合もあります。少量の出血を起こした数日後に本格的な出血を起こすこともあります。
髄膜炎
脳や脊髄の表面を覆う膜(髄膜)がウイルスやカビなどの病原体に感染したり、がんや自己免疫疾患によって髄膜に炎症が生じる病気です。
特に細菌の感染が原因の場合、急激に悪化して命に関わるケースもあるため注意が必要です。
首を曲げたり左右に振ったりすると痛みが強くなったり、他人が首を曲げようとすると、意識して力を入れるわけでもないのに非常に硬くて曲がらない(頚部硬直)ことがあります。
その他、発熱、頭痛、吐き気など
甲状腺炎
喉(首前面)の腫れ、痛み、発熱など
リンパ節炎
リンパ節の腫れ、痛み、発熱など
リンパ節の腫れの主な原因は、リンパ節近くの組織の感染症が原因ですが、がん、悪性リンパ腫、HIV感染、結核など危険な病気が原因の場合もあります。
子供に多い病気
最近では、小学生でも首肩こりを訴える子供が増えています。しかし、子供の首肩痛の中にも上記のような病気が隠れていることがあります。
特に小学生くらいまでの子供は、体の不調や痛みをうまく伝えられない子もたくさんいるので、大人が注意して観察をしてあげるようにして下さい。
痛みの他にも、発熱や腫れがみられる際は病院へ行くようにして下さい!
症状チェック
まずはセルフチェックを
- 普段は気にならないのに原因不明で痛みが気になりだした
- いつもの首肩こりの痛みとはちょっと違う
- 急な激痛、冷や汗、吐き気
- なかなか痛みが良くならない、悪化していく
- 呼吸時痛、発熱、食欲不振などがある
- 交通事故、転倒、ジェットコースターなど明らかな外傷性の原因がある
※急な激痛、冷や汗、吐き気、息苦しさ、胸痛などがある場合は救急車を呼んで下さい!