病的・急性痛
頸椎症
頸椎症とは、老化や姿勢の悪さ、歪みなどが原因で骨や椎間板などに変形が生じた状態のことです。
変形部分が脊髄に達すると神経を圧迫します。この状態を脊柱管狭窄症と言い、圧迫部分の神経支配の範囲において痛みやしびれ、脱力感、運動障害などの症状が出現します。
頸椎椎間板ヘルニア
「椎間板」とは、脊柱（背骨）を構成する椎骨の間にあり、衝撃や重力による圧力を吸収するクションの役割をしている軟骨のことで、「ヘルニア」とは、臓器などが本来あるべき位置から飛び出してしまうことを言います。
老化や運動、不慮の姿勢などによって椎間板（髄核）が本来の位置からはみ出した状態が椎間板ヘルニアです。
本来、頸椎は軽く後ろに反っている形をしていますが、猫背やストレートネックの影響で椎間板の前方に強い圧力がかかると、その圧力を後方に逃がそうとして椎間板が後ろに飛び出します。
このように慢性的なストレスによりヘルニアになる場合と、スポーツや交通事故など、突発的に強い外力が加わり飛び出してしまうことがあります。
どちらにしても、飛び出した椎間板が脊髄を圧迫すると、圧迫している場所によって首の痛み、肩から上肢、手にかけての痛みやしびれ、筋力の低下、感覚麻痺、運動機能の低下などの症状が現れます。この状態を脊柱管狭窄症と言います。
後縦靭帯・黄色靭帯骨化症
後縦靭帯・黄色靭帯骨化症とは、日本では難病指定されている病気で、椎体の後ろや椎弓の間にある靭帯が骨化してしまう病気です。骨化している場所によって頚部の痛み、上肢や下肢のしびれ、感覚麻痺、運動機能の低下などの神経症状が現れます。
骨化していても軽度で症状が何も無い人もいます。
靭帯が骨化する原因としては、遺伝やホルモン異常、糖尿病、局所の力学的要因など様々な要因が考えられますが、今のところ明確な原因は不明で、症状によっては手術が必要となることもあります。
頸椎脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは、頸椎症、椎間板ヘルニア、すべり症などによる骨や軟骨の変形・歪み、後縦靭帯骨化症など、何かしらの要因で脊柱の中にある“脊柱管”と呼ばれる脊髄の通り道を狭めてしまい、脊髄を圧迫してしまう状態のことを言います。
頚部で脊柱管狭窄症が起きた場合、初期の段階では首肩や肩甲骨周りのこりを感じる方が多いです。
症状が進行し、神経症状が出現すると四肢のしびれや感覚麻痺、機能障害（箸を使う、ボタンをかけるなど細かな作業が難しくなってきます）が出現します。
